仏教美術とともに、平安時代、わが国にもらたされたと思わ れる木版画の技術は、その後、日本人の優れた感性によっ て多色摺りの見事な錦絵となり、国内ばかりか全世界へと 渡っていきました。その中には、第一級の芸術品として高い 評価を得ているものも少なくありません。また、ゴッホをはじ めとする西欧印象派の画家たちに多大な影響をあたえたこ とは、絵画史上有名な話です。 木版画は江戸時代に、絵師、彫師、摺師による分業体制が 形成され、技術面で高水準を極めました。そして、浮世絵に 代表されるように、木版画は庶民文化としての娯楽、教養に 大きな役割を果たしていたのです。しかし明治に至って、機 械印刷が導入され、手摺りの木版画は影をひそめる結果と なりました。 |